トナリノ広報部では、定期的にイベントや勉強会をおこなっています。このアーカイブ記事は、勉強会「オンラインの社員インタビュー、どんな工夫ができる?」の様子を記録したものです。今回の勉強会では、代表や広報に比べて、あまり取材慣れしていない社員の方へのオンラインインタビューを前提に、気をつけていることや悩みについて話し合いました。
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テーマ①:オンラインインタビューで、インタビュアーが意識したいこと
対面して行うインタビューと、オンラインで行うインタビューには、さまざまな違いがあります。移動コストがかからないため遠方の人も企画にアサインしやすい・相手の視線が気になりにくく、自然にメモを取りやすいなど、オンラインだからこそのメリットもあります。
その一方で、参加者の通信環境にインタビューのしやすさが左右される・慣れるまでは集中しづらい・話すタイミングを計ろうとして沈黙が起きやすいなどのデメリットも。インタビュイーが自宅から参加する際には、オフィスにいるときよりもリラックスしてもらえる場合もあれば、慣れていない環境でのインタビューゆえに先方が緊張し、かえって話を引き出しにくくなるという場合もあるようです。
インタビューを受ける場所などの環境を含むインタビュイーのコンディション、インタビュー内容などの条件は、場合によってさまざま。そんな中で、インタビュアー側ができることとしては、「相手の不安を取り除いて、インタビュイーが話しやすい環境を作る」ことがあげられるのではないでしょうか。
テーマ②:オンラインインタビューでしている工夫
オンラインインタビューの工夫としてあがった内容を、事前準備・スタート時・インタビュー中・記事化の準備という段階に分けて整理してみると、以下のようになりました。
◆事前準備
・事前に、インタビューの目的も明記した質問事項を送る
・インターネット環境が悪くなった場合にどうするか、対応を決めておく(「ここに連絡をください」など)
◆スタート時
・対面とは違い、スタートがいきなりになりがちなので、カジュアルな雑談から入る
・最初のアイスブレイクとして、自己紹介シートを用意し、自分がどんな人なのか趣味も含めて話す
・背景を変えている場合は、そこをアイスブレイクのきっかけにする
・人伝いにお願いすると、全貌が伝わっていない場合もあるので、当日、あらためて企画趣旨などを話す。そこで心の準備をしてもらいつつ、自分のキャラを知ってもらう時間にする。
・まずは答えやすい質問から始める
◆インタビュー中
【質問の仕方】
・対面よりもなんとなく雰囲気が伝わりにくいぶん、語尾が消えないようにしたり、もごもご喋らないようにしたりと、曖昧な話し方を避ける
・通信の問題で聞き取りづらい場合もあるので、ゆっくりはっきり話す
・声だけで取材する場合は、声の抑揚をつけて、声から表情が伝わるようにする
・複数人・対談式のインタビューなら、一人ひとりに「○○さんはどうですか?」等と名指しで話を振る
・話すのが不慣れそうな人には、積極的にこちらから声をかけて話を振る
・聞き取りづらい部分があったときに、聞こえてるフリをせず、その場で丁寧に確認する
・相手に合わせて質問の粒度を変える。インタビュー慣れしていない方であれば、質問の粒度を細かく設定する(例:「〇〇はどうでしたか?」→「○○はいつやったんですか?」)
・1回で深掘りするのが難しそうな場合は、事前ヒアリング30分、そこを参考に作った質問事項を送って1時間弱あらためて話すなど、分割して話を聞く
・通信環境次第でタイムラグがあるかもしれないので、一呼吸置いてから話す【応答の仕方】
・伝わっていることを示すために、少しオーバーにリアクションする
・インタビュー担当でなく参加している場合は、ミュートにしていても表情でリアクションをする
・よく笑う。口角は基本上げておく
・対面のとき以上に、「伝わっていますよ!」と態度や言葉で伝えるようにする
・「こういう認識で合っていますか?」と聞き返す
・「こう感じているんですね」「それを聞いてこう思いました」など、感想を積極的に口に出す【環境の調整】
・見せたいものがあれば画面共有を使う(アジェンダ、参考サイト、写真など)
・必要であれば、通話するアプリを変える
・保険として、通話アプリ本体での録音に加え、レコーダーなども使用する
・部屋が暗いと表情も暗くなりがちなので、照明を調整する
・接続する場所をある程度指定する(雑音の多いカフェは避けてもらうなど)
・先方が複数人で会議室などから参加する場合、1人1台PCを使ってもらうようにする
・画面キャプチャの可能性があればあらかじめ伝え、明るい場所でつないでもらったり、服装を簡単にガイドしたりする
・接続環境を切り替えられるように、いくつかWi-fiを用意しておく
・とくにノートパソコンでカメラを使う場合は、見下ろしているような画角になるので、高さを調整する
・撮影、録音の許可をとる
・マイク付きイヤホンを使うなど、音質を少し気遣う
テーマ③オンラインインタビューでの悩み
悩みを共有するパートでは、みなさんのリアルな課題についてお聞きしました。
とくに共感の声が多かったのは、グループインタビューの難しさ。「盛り上がったが、話し始めがかぶってしまったりして、ファシリテートするのが難しかった」「先方の事情で、他の人もいるオフィスから、複数人がインタビューに参加しているので、雑音が気になった」「参加者が多いぶん周りの様子を見てしまうのか、あまり話してもらえなかった」などの声がありました。
参加者の方からは、「声が被っても気にせず話せるようなツールを使う」「通話アプリにこだわらず、あえて電話を採用する」「対象者が複数人いるときは、できる限り指名して話を聞く」などのアイデアが。悩みを共有してくださった方の、「次回、それやってみます!」という明るい声が印象的でした。
他にも「記事化する際のサムネイル画像に困る」など、さまざまな悩みやその解決策を話し合うことができ、参加者の方からは「他の人の具体的な工夫が聞けて、勉強になった」という声を複数いただきました。
今回のイベントでは、よりよいオンラインインタビューのために参加者の方が行っている、たくさんの細やかな工夫についてお聞きすることができました。どの方も話していたのが、表情の重要性。画面越しの対面で雰囲気が伝わりにくくなるぶん、少し大きめにリアクションをとるのが、インタビュイーとの関係づくりのカギになりそうです。
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