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社員インタビューの「事前準備」を考える【勉強会アーカイブ01】

トナリノ広報部では、定期的にイベントや勉強会をおこなっています。このアーカイブ記事は、勉強会「社員インタビューの『事前準備』、どうしてますか?」の様子を記録したものです。

今回の勉強会では、社員インタビューをする際に感じている悩みや課題、普段おこなっている事前準備について、参加者全員で話していきました。

 

テーマ①:社員インタビューをするときに感じる課題・悩み

話題に上った課題・悩みには、こんなものがありました。

「インタビューを今日収録して、明後日には原稿がほしい」といったスケジュールを先方から提案されてしまった。かかる日数やフローなど、基本的な部分のすり合わせからスタートする必要があった

取材した内容を書き言葉にして整理したら、「自分はこんなことを言っていない」と言われてしまい、ほぼすべて書き直しになった。コミュニケーションが不十分で、相手の意図と違う書き方になっていたのかもしれない。

採用のための社員インタビューなどでは、聞きたい要素がなんとなく決まってくる。経験を重ねるにつれて、それっぽい記事は作れるようになってきたが、一歩踏み込んだ新しさ、面白さを求めにくくなっている気がする。

採用サイトオープンに合わせ、急ピッチで10人以上にインタビューすることもある。そんなときは、大幅に赤字が入理間に合わなくなるのを防ぐために、あらかじめかなり打ち合わせをしている。リスクヘッジができる一方で、インタビュー対象のその人らしさが出るような話は聞きにくくなっているかもしれない

取材中はすごく盛り上がったが、文章化してみたら情報量が薄くなってしまったことがある。また、せっかく盛り上がったエピソードも、さまざまな理由で執筆後にカットしなければいけなくなったことがある

いざ社員インタビューを実施してみたら、企業側の担当者から聞いていたアピールポイントに合致するようなエピソードがほとんど出てこなかった

初めてのインタビューで取材相手が緊張している場合も。「これはいける!」というアイスブレイクがあれば聞きたい

これまで、社内のインタビューは自分が中心となっておこなってきた。今後外部のライターさんにお願いする場合に、どんな風に要望を伝えたらいいのか、つまり、企業側ができる「事前準備」も知りたい

 

トークテーマ②:普段おこなっている事前準備

一方、普段おこなっている事前準備としては、以下のような内容が。トークテーマ①で挙げられた課題の解決策となりそうなものも、たくさん聞くことができました。

依頼主は、コンテンツ制作の経験が少ないはず(だからこそ発注してもらえる)。その前提で、自分が企画から関わることもある

事前に構成案や質問案、大まかな文字数などの予定を先方に送り、取材の趣旨も含めてインタビュー対象者に共有してもらえるようお願いする。完成イメージのすり合わせができていると、「思っていたのと違う」を防ぎやすい

今回のコンテンツを出すことで、何が達成できればいいのかを企画段階で詰めておき、それに従って質問案を考える。目的次第では、必ずしも多くの人に「ウケる」ような面白さが必要ではないこともある

その人ならではの話を聞くために、あらかじめ取材対象者に「この時期のことを聞きたいので、当時のことをいろいろと思い出しておいてもらえると嬉しいです」などと伝えておく

読者が読みたい情報を聞けているかどうかを意識して取材を進める。取材対象者本人としてはOKでも、広報チェック時にオフレコ扱いに……というケースもあるため、企画段階で「現場のリアルが伝わるようなエピソードもあるといいですね」等と提案したり、取材直後に原稿化する話・しない話を確認したりする

とくに大手の企業では、企業側の担当者から取材対象者に、一度面談のような形でプレ取材を設けてもらえる場合がある。それがあると、今回の取材に対する企業側担当者と取材対象者のイメージを近づけることができ、取材対象者にとっては話す練習になるので、内容のない取材になってしまうことも防げる

取材の最初に、取材対象者の不安を取り除けるような声かけをする。例えば、「原稿はあとで確認・修正できますし、全て記事にするわけではないので、気軽に話してください」「ICレコーダーはメモ用で、わたししか聞きません」など。事前に自分のプロフィールを送る場合もある(知らない人相手だと緊張する、と言われた経験から)

先方の担当者には、取材対象者の簡単なプロフィールや人選理由、コンテンツを通じて伝えたいこと、想定読者などを聞いておく。場合によっては人選の提案から関わる(新卒・中途、性別、文化系・体育会系など多様性を出せるように)。「何を伝えたいか」だけでなく、「どう伝わってほしくないか」も聞けるととてもよい

 

●みなさんのお悩みエピソード

トークの中で出てきたお悩みエピソードを、役立ちそうな事前準備とセットで一部ご紹介します(※エピソードの内容は一部改変しています)

 

事例①:取材中は「いいぞ!」と思ったのに……

「構成案や質問案を事前に送り、取材はとても盛り上がった。しかし、原稿を書き始めてみると、一番盛り上がったはずのエピソードの情報量が薄くなってしまい、現場で感じた面白さをどうやったら読者に届けられるか悩んだ」「とてもいい話だなあと思っても、原稿の先方チェックの際に『これはオフレコ扱いで』と言われ、書き直しになってしまったことがある」というエピソードを話してくださった方がいました。

これには、共感する方も多数。このような状況を回避するためには、「どんなに現場が盛り上がっても、当初の目的を達成できないコンテンツにならないよう、意識的に質問を変えたり、目的を当日あらためて共有したりするといい」という話になりました。

役立ちそうな事前準備
・企画段階から参加し、コンテンツ制作の目的や、読者にとって必要な情報はなにかを定める
・取材対象者が見る事前アンケートや質問案のトップに企画の趣旨を記載する
・面白い話でも、趣旨からあまりにも逸れていたら軌道修正する。または、その話をどうやったら原稿に入れ込めるか考え、より具体的な話を聞く
・当日もあらためて企画概要をアナウンスする

 

事例②:ある程度慣れてきた、だからこそ悩む

社員インタビューを複数回経験している方からは、「経験を重ね、つまずくポイントがわかってきたからこそ、大きな戻しなどのリスクヘッジを兼ねて、打ち合わせ含む事前準備は細かくしている。ただ、それでインタビューに臨むと、できあがるものがなんとなく既視感のある内容になってしまったり、自由に話してもらえる余白が減ってたりしている気がして悩んでいる」というお話も。

これに対しては、他の参加者の方から
「インタビュー慣れしていない社員さんに取材するのであれば、念入りに事前準備をしておくのは悪いことではない。『自由に話して』では戸惑ってしまう人もいるので、ある程度こちらで枠を設定したほうが話しやすくなることもある」

「例えば、新卒採用のために学生に伝えたい情報は、どの企業にも重なる部分があるはず。目的達成のために必要な情報ならば、多少既視感が生まれるのは仕方ない部分もあるのではないか」等の、新規性が必須かどうかは検討の余地があるというコメントが寄せられました。

その上で、「その人にしかない個人的なエピソードも聞けるように、事前に思い出してきてもらうといいのでは」といった、個人のエピソードを聞くための工夫についても話し合いました。

役立ちそうな事前準備
・そのコンテンツを作る目的を念頭に、「コンテンツの品質」をどう定めるか考える
・「○○に関する個人的なエピソードもお聞きしたいので、これまでの経験をいろいろ思い出しておいていただけるとうれしいです」等と声かけをする
・「こんなコンテンツにしたい」だけでなく「こうはしたくない」もヒアリングしておき、大まかな方向性を固めた上で、挑戦できる余地を作る

 

 

この他にも、経験者限定の勉強会だからこそ出てくる具体的なお話に、参加者の大半が深く頷く場面が何度もありました。

勉強会で話された内容を振り返ってみると、「事前準備」は、取材するライター・編集者、企業側の担当者、取材対象者など、あらゆる関係者の間にあるギャップを埋めるものなのではないかと感じます。事前準備の際にはそのような視点で、何ができるか考えてみるといいのかもしれません。

今回の勉強会の感想として、社員インタビューの経験が比較的少ない方からは「著名人・経営者インタビューと社員インタビューの、共通点や差異を理解できた」という感想を。経験豊富な方からは「同業者と話すことで、社員インタビューを作る際に重要だと感じるポイントを確認できてよかった」「あらためて社員インタビューというコンテンツの特徴をつかむことができた」などの感想をいただきました。

SNSやメディアで語られるライティング論にもさまざまありますが、自分が執筆・編集するのが書籍なのか、雑誌なのか、Webメディアなのか、企業発のコンテンツなのか……などによって、当てはまるものとそうでないものがあるはずです。

ただ、その見極めをたった一人でしていくのは、なかなか大変なもの。トナリノ広報部では今回のように、近い分野で仕事をしている人の話を聞き、自分の体験もシェアしながら、参加者のみなさんと「よりよい仕事のための工夫」を考える機会を、たくさんつくっていきたいと思います。

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