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情報発信するときの「記事体裁」をどう決める? 一人称〜三人称を選択するポイント

「インタビュー記事を作成したい」と依頼をする、もしくは依頼を受けるとき、いくつか事前に決めなければいけないことがあります。その一つが、記事の体裁をどうするか。記事の体裁は、主に3つのパターンから選ぶことができます。ひとり語り(一人称)にするか、インタビュアー視点を交えたQA形式(二人称)にするか、それとも客観的な視点からレポートする(三人称)か。

しかし企業の中ではじめてコンテンツを制作する場合など、どのパターンを選択すればよいか迷うことも多いのではないでしょうか。今回は、一人称、二人称、三人称それぞれの体裁の特徴と、記事を作成する際の注意点を、自分たちなりにまとめてみました。

※まだかなりざっくりした分類なので、今後、「トナリノ広報部」のメンバーでさらにブラッシュアップしていきたいと思っています。

1)一人称視点(モノローグ/ひとり語り/主観)

インタビュー対象者本人が、自分の主観で語る形式。インタビュイー個人のエピソードにフォーカスするとき、また強い意志や想いを直接的に伝えたいときに有効です。QAで構成するインタビュー形式に比べるとコンパクトに情報をまとめることができるので、文字数が限られているときも使いやすい体裁です。

例)私は現在、営業部のマネージャーとして主に人材育成に注力しています。これまでのキャリアの中で、自分のチームを持ち、メンバー育成に携わるのは初めてのことです。日々慣れないことの連続で戸惑うことも多いですが、周りの上司や先輩たちがサポートしてくれるおかげで、少しずつ成果につながりはじめています。まずはメンバーと丁寧に対話を重ねながら、1日も早く自分自身が成長してチームに貢献できるようになりたいですね。

▼一人称が向いている記事

  • 経営者からのメッセージ
  • 採用広報目的の社員インタビュー
  • 会社紹介目的の記事(制度紹介、オフィス紹介、働き方)など

▼記事制作時の注意点

  • 主観的な文章になるため、ひとりよがりな印象を与えてしまうリスクもあります。内容のチェックや校正は、より客観的な視点から行うことをおすすめします。
  • 会話ではないのでインタビュイー本人の口調などを反映しにくく、個性を表現するのは難しい体裁でもあります。

2)二人称視点(ダイアローグ/インタビュー/QA)

聞き手の質問を交えて、QAで会話が進んでいく形式。聞き手=読者が聞きたいことを代弁する役割を果たし、モノローグと比べると客観性が担保されます。会話形式なのでカジュアルさ、親しみやすさを出したいときにも有効です。

例)
——現在のお仕事について教えてください。
今は営業部のマネージャーとして、主に人材育成に注力しています。

——マネージャーとしてのご経験は長いのですか?
いえ。実は自分のチームを持って、メンバー育成に携わるのはこれまでのキャリアの中ではじめてのできごとなんです。毎日が慣れないことの連続で、正直なところ、戸惑うことも多いんですよね。

——なるほど。業務に慣れない中で、成果を出すために実践していることはありますか?
まずはとにかく、メンバーとの対話を丁寧に重ねることを心がけています。ただ私が困っていると、必ず周りの上司や先輩たちがサポートしてくれるんです。少しずつ成果がではじめているのは、みなさんのおかげですね。私自身もさらに成長して、チームに貢献できるようになりたいと思っています。

▼二人称が向いている記事

  • ユーザー事例など、社外の方を取り上げる場合
  • 採用広報目的の社員インタビュー
  • サービス・製品開発ストーリー など

▼記事制作時の注意点

  • 聞き手の立ち位置が非常に重要です。インタビュアーを社内の広報担当者などがつとめる場合、必要以上に内輪感が出てしまわないように注意を払う必要があります。
  • インタビュアーは「読者代表」という意識を持ち、内容を届けたい対象者が抱くであろう疑問や不安などを質問にしていきます。あたりさわりのない相槌や、表面的な共感だけで会話が進んでしまうと記事にすべき内容が集まらない・深まらない場合があります。
  • 一人称、三人称に比べると記事が長く冗長になってしまうケースがあるので、伝えたいこと、記事の軸がブレないように。

3)三人称視点(ルポ/レポート/ドキュメンタリー/客観)

第三者が客観的な視点で書く形式。ストーリー性のあるエピソードにフォーカスしやすく、ドラマチックな印象に仕上げることも可能です。

例)「一日も早く、自分自身が成長してチームに貢献できるようになりたい」——そう語る営業部のAさんは、2021年4月に昇進したばかりの新米マネージャーだ。自分のチームを持ってメンバー育成を行うのは、キャリアを通して初めてだという。人材育成の仕事は、慣れないことの連続。戸惑いながらも、メンバーと丁寧に対話を重ねることを意識しながら業務に取り組んでいる。周りの上司や先輩たちからも手厚いサポートを受けながらではあるものの、少しずつ成果を出すことができているそうだ。

▼三人称が向いている記事

  • ユーザー事例など、社外の方を取り上げる場合
  • サービス・製品開発ストーリー
  • 会社紹介目的の記事(社史)など

▼記事制作時の注意点

  • 社史や開発ストーリーなどとは相性が良いものの、ライトな情報とはテイストがあまり合いません。ルポ形式の文体は、やりすぎるとどうしても演出過剰となり、大袈裟な印象を与えかねません。内容とのバランスをうまく取りながら制作する必要があります。

 


 

今回は、一人称/二人称/三人称それぞれの記事体裁について、向いているテーマ・内容と、記事制作時の注意点をざっくりとご紹介しました。参考にしていただけたら幸いです。今後、コミュニティ内で実際の記事サンプルを持ち寄りながら、さらに詳細な分析などをしてみても面白いかもしれないと思っています。

 

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