私たちの課題

PR/広報領域で活動するライター・編集者として、2022年のはじめに思うこと

新年、あけましておめでとうございます。昨年、関係者のみなさまには大変お世話になりました。2022年もどうぞよろしくお願いいたします。

あえて今、2020〜2021年にかけて感じてきた憂いを共有しておきたい

元旦早々の記事ですので、本来であれば「トナリノ広報部」として掲げている今年1年の目標などをみなさんにお知らせするべきなのかもしれません。でも今日はあえて、この2年ほど、PR/広報領域でライティングや編集の仕事に携わっていて感じている変化と、個人的な悩みについてつらつら書いてみたいと思っています。

ここで単にポジティブな内容だけつづるのは、なんだか無理やり嘘をついているような気がしてしまったので。(2022年の目標については、1月後半に予定している新年会で改めて共有しますね)

「2020〜2021年にかけて感じてきた憂い」というのは、主に新型コロナウィルスの感染拡大とともにはじまった、社会環境の大きな変化に起因するものです。というより、コロナ禍が直接的なきっかけになっただけで、もともとの大きな時代の流れの中で少しずつきざしが見えていた変化が、一気に押し寄せただけかもしれません。

テキストを軸とした情報発信、企業の広報支援に携わるライター・編集者として、どの仕事で、どのような責任をどこまで負うべきなのか、何を“正解”と信じて行動すればいいのか、増え続けるリスク要因に対するフォローをどこまでするべきか、数年前とは比べものにならないほど、考えることが複雑になっているように思います。

それはわたしのように、外部から企業に関わっているライター・編集者だけではなく、小規模な企業で広報を担当している人たちも同様でしょう。

コロナ禍で、企業に必要となるコミュニケーションは大きく様変わりしています。業種やビジネスモデルにも寄るとは思いますが、マーケティングや採用の手法が変化せざるを得なかったのはもちろんのこと、リモートワークへの移行によって、組織内の広報・社内コミュニケーションの重要性も急速に高まっています。

特に中小企業では、上記のような変化を統括して、広報担当者がカバーしなければならないケースが多かったのではないでしょうか。これまでの手法が通用せず、新たなやり方をイチから模索しなければならなかった企業もあったでしょう。

もちろん、この変化によって苦労が増えたのは広報職だけではないはずですが、「広報担当」もしくは「インハウスエディター」などという類の職種は、もともと組織の中に1人ないしは数人しかいないのが常です。

それに加え、社内で自身の仕事に対して十分な理解を得られなかったり、膨大な業務量に追われてしまったり、複数部署の間で板挟みになったりと、何かと孤立しがちな要素が多い仕事でもあります。

実際、そういう立場にいる方からご相談を受けたこともありましたし、体調を崩してしまい休職された方も何人かいました。

新年早々、ちょっと後ろ向きな内容になってしまいましたが、こうした仕事の変化やよくある悩みは、2022年も引き続き、わたしたちが向き合っていく必要がある課題だと思っています。わたし自身も、このタイミングであらためて認識し直しておきたいと思いました。

 

【イベント案内】オンライン勉強会:フリーライター / 編集者、ひとり広報担当者の「メンタルヘルスケア」を知る

▲上記のようなコロナ禍の変化に対する危惧から、昨年8月、ライター/編集者、ひとり広報担当者のみなさんのための「メンタルヘルスケア」に関する勉強会を開催しました。みなさまが、今年もすこやかにすごせますように。

 

「テキストによる非同期コミュニケーション」の重要度はさらに増している

ただ前述の課題は、裏を返すと「書き手」にとってのチャンスでもあるのかもしれません。

社会状況が変化したことにより、社内の情報共有やコミュニケーション、関係者に対する適切な情報提供などにおいて、「テキストによる非同期コミュニケーション」が必要とされる場面が以前より増えているのは確かです。それはすなわち、伝えたい情報をきちんと整理し、伝えたい人たちにしっかり伝わる形で文章をつづる仕事の重要度が増しているということ。ライターや編集者として培ってきた職能を活かせる場面が、今後はますます増えるでしょう。

ただ、それを誰かが無理ないかたちで担っていくためには、企業の中で役割の再分担が必要な気がしています。

これまで「ライター」「編集者」「広報」と呼ばれていた職種の一般的な役割やスキルを改めて洗い直して、それぞれのスキルが活かせるような体制をつくっていく。小規模な企業で複数人の社員が関わることが難しい場合は、一部の業務をフリーランスや、副業希望者とうまく分担するのもいいと思います。

ただもちろん、言うは易し、行うは難し。最適な体制にたどりつくまでには、長期的なトライ&エラーが必要となります。だからこそ短期的な受発注ではなく、受注側も発注側も、継続的な関係構築を視野に入れて活動することが重要となるのではないでしょうか。

 

今回は個人的にも暗中模索中で、まるで答えが出ていないトピックに触れてしまいました。ここまで自分で読み返してみても、正直、まだまだ詰めが甘い部分が多すぎて公開ボタンを押すかどうか悩みます……(苦笑)。

ただ2022年のはじめに、どうしてもわたしたちが今置かれている状況について触れておきたかった。この状況と上述した課題を念頭において、今年は「トナリノ広報部」の活動を展開していきたいと思っています。

長くなりましたが、メンバーシップのみなさん、関係者のみなさん、本年も引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

 


 

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