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「言葉」の仕事を考える おすすめ本 5選

みなさん、今年はどんな本を読みましたか。

今回はオンラインコミュニティ「トナリノ広報部」のSlackチャンネル「 #おすすめ本 」にてご紹介した書籍を中心に、PR/広報領域で活動するライターや編集者、広報担当者をはじめ、「言葉」の仕事に携わる人におすすめしたい本をピックアップしてみました。(筆者の独断と偏見です。あしからず)

もし興味がある本があれば、ぜひ手にとってみてください。

「書く仕事」について、静かに自分と向き合う

 

『仕事の手帳』/最相葉月 著

ノンフィクションライターとして多数の著書を出されている最相葉月さんの、「仕事」にまつわるエッセイ集です。もともと企業PR誌をつくる仕事からキャリアをスタートされていたそうで、なんだか勝手にシンパシーを感じてしまいます。

「仕事の心得」「聞くこと」「書くこと」「読むこと」の4章で構成されていて、「仕事の心得」を読みながら襟を正されるような気持ちになり、「聞くこと」「書くこと」では、ノンフィクション/ジャーナリズムの仕事と自分たちの仕事(PR/企業広報関連)の違いや共通点を探すことで学びを得て、「読むこと」では最相さんの視点で紐解かれた、さまざまなノンフィクション作品に触れることができます。

 

「会社って、そもそも何だろう?」歴史から捉え直す

 

『株式会社の世界史: 「病理」と「戦争」の500年』/平川克美 著

2021年末、11〜12月に取材させてもらった企業の経営者の方が数人いるのですが、お話をしていくうち、最終的にほぼ全員と「会社って、いったい何なんでしょうね??」とおうかがいする(というか一緒に頭を抱える、が近いかも)展開になりました。

わたしは企業広報の仕事をして10年ほどたちますが、年々、その疑問が強くなっていきます。会社って、一体なんなんだろうか。もう、なんだかよくわからなくなってきました。

そんなときに、手に取った本がこちら。「株式会社って、そもそもどういう経緯で社会に登場し、定着していったんだろう」——その歴史について、知らない人が大半ではないでしょうか。

わたしたちがすっかり、当たり前の存在として捉えている「会社」というものについて、あらためて考えるよい機会になると思います。

 

インタビューなどで「聞く力」をさらに深める

 

『問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション』/安斎 勇樹,塩瀬 隆之 著

ライターや編集者の基本スキルには、「聞く(≒取材する)」が含まれます。2021年、企業広報領域の仕事をしていて感じたのは、「書く」はもちろんのこと、「聞く」役割が求められるケースが増えたことです。

経営者の方や企業内の広報担当者の方の壁打ちをするなど、第三者視点を活かした聞き役となる。会議やミーティングのファシリテーションをする。同業者のメンター的なことをするなど……。

聞く仕事で何より大切なのが、「問い」をどう立てるかです。正直、わたしはずっと感覚的に仕事してきてしまったので、改めてこの本を読みながら、スキルの棚卸しをするのに活用させてもらっています。組織の課題解決を目的としたファシリテーションがメインテーマではありますが、ライターや編集者が行う取材、インタビューにも大いに役立つと思います。

 

今この社会にあふれる「言葉」に想いを馳せる

 

 

『まとまらない言葉を生きる』/荒井裕樹 著作

「『言葉が壊れてきた』と思う」というひとことからはじまる、本書。障害者文化論、日本近現代文学の研究者である荒井裕樹さんのエッセイです。「こんな本です」と紹介するのはなかなか難しいのですが、仕事で言葉に携わっているみなさんには、ぜひ読んでみてほしい一冊です。

実は筆者、今年からTwitterやFacebookを日常的に使うことをやめました。SNSにあふれる言葉を目にするのが辛くなってきたから……という感覚的な理由からだったのですが、その感覚を、なんだか少しだけ肯定してもらえたような気がしています。

カバー裏に書かれたひとこと(問い)が、とても秀逸だと思っています。——「言葉が『降り積もる』とすれば、あなたは、どんな言葉が降り積もった社会を次の世代に引き継ぎたいですか?」

 

物語を通して、ジェンダー問題の根本を考える

 

『大奥』/よしながふみ 作

最後に、漫画作品をひとつ。今年は、どうしてもこの作品に触れなければと思いピックアップしました。16年の歳月をかけて今年完結した、よしながふみさんの『大奥』です。

正直、わたしは大きな誤解をしていました。大奥というくらいなので、絢爛豪華な世界観と男女逆転という特殊な設定の中で、きっと幾重もの恋愛ものがたりが繰り広げられるんだろう——くらいに考えていたんです。(失礼極まりない……)

しかし、実際に読みはじめてふるえました。江戸幕府260年の歴史をたどりながら、「男女の役割が逆になっている」というフィクションの設定を生かして、現代社会でまさに起きているジェンダー問題の本質をこんなにくっきり描くことができるのか、と。

これからの企業広報、情報発信に携わるうえで、ジェンダー問題に対する理解は絶対に必須になると思います。いろいろな角度から勉強する必要があると思いますが、まずは物語を通して、社会課題の根本に触れてみることをおすすめしたいです。登場人物の心情がリアルに伝わるぶん、課題の根深さを実感できます。

 

どの本もすべて、自分の仕事に活きている

 

「言葉の仕事に関わる本」とテーマを設定しましたが、ちょっと幅が広くなってしまいました。でも今回ご紹介した本は、筆者のなかではすべて「ライターの仕事」に活かされています。もし興味をひかれた本があれば、ぜひ手にとってみてください。

 


 

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