企業のコンテンツを制作するとき、インタビューで「リモートワークが浸透する以前と比べてどうですか」という質問をする意味が、最近うすれてきているように感じます。
なぜなら、2020年のはじめに全世界が”With Corona”状態に陥ってから、気づけば2年以上が経過しているから。どんな異常事態も、時間とともに次第に日常に変わっていくのだということを、最近しみじみ実感しています。
「トナリノ広報部」の活動をスタートしたのが2019年。メンバーシップの募集をはじめたのが2020年の夏。私たちもコロナ禍の中で活動をしてきましたが、この状態が日常化するにつれて、運営チームとしてだんだんと悩むようになったのが「交流会」や「勉強会」など、イベントごとの設計についてです。
飽和状態のオンラインコミュニケーション、うすれる手応え
2020年の私たちは、月に2回の定例イベントをオンラインで開催していました。毎回、それなりの人数の方に集まっていただき、コミュニティとしての基盤をつくる活動ができたと自負しています。ただ、問題はそれ以後です。
すべてのコミュニケーションがリアルからオンラインに置き換わり、あらゆる企業、団体、コミュニティが開催するオンラインイベントが乱立するようになって、主催する側としてどんどん手応えがなくなっていきました。私たちの企画力のなさが原因……といってしまえばそれまでなのですが、どうにもそれだけではない、という肌感覚がありました。
自分自身もオンラインイベントに参加するのがだんだんと億劫になり、一時期よく開催されていたオンラインでの飲み会や、プライベートな交流もほとんどしなくなりつつあります。対面でのコミュニケーションと比べると没入感が薄いわりに、摂取して処理しなければならない情報が過多すぎて疲れてしまった……というのが、個人的な感覚です。
「雑談」はそもそも、予定を入れてするものではない
イベントやコミュニティのメンバーシップに参加していただく方のほとんどが、「横のつながりがほしい」「同業者の人と交流したい」という理由を挙げてくれます。でも、コミュニティに求められているのは時間や内容がかっちり決まったオンラインイベントではないのだろうな、と最近感じるようになりました。もっとさりげなく、自由なおしゃべりができる場所が必要なんだろうな、と。
そもそも「雑談」なんて、予定を入れてするものではないですからね。それも当然だと思います。
そこで悪あがきの一つとして、トナリノ広報部ではこの4月から「Gather」というバーチャルオフィスサービスを利用することにしました。とはいえ「会社」ではないので、メンバー限定の「バーチャルカフェ」という形で。
今、さまざまなバーチャルオフィスサービスが出てきていますが、何よりこのビジュアルにひかれました。昔のゲームっぽくていいですよね。
まだまだ「めちゃくちゃ活用できている」とは言い難いですが、ミーティングをしたり、もくもく会に使ったり、勉強会を開催してみたりと、いろいろ試しに使っている最中です。今後もオンラインでのコミュニケーションの仕方を、いろいろと試行錯誤していきたいと思います。
トナリノ広報部は、PR/広報領域で活動するライター・編集者のコミュニティです。メールマガジンにご登録いただくと、コミュニティの活動レポートや、勉強会などの開催情報をお届けします。